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お天気豆知識
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山と雲、富士山と雲
 
 空気が何らかの力を受けて上昇すると、膨張して温度が下がり、水蒸気が凝結して雲粒ができます。空気が上昇する原因として、風(気流)が山にぶつかって乗り越えることや、山を回り込んだりするときに出来る渦があります。
 (図1)のように山を越える気流が凝結高度を越えると山の上につるんとした雲が出来ます。その形が笠に似ているので、笠雲と呼ばれています。笠雲ができることで有名なのが富士山ですね。(写真1)は富士山の上に二重の笠雲があります。写真をよく見ると、近くの景色が流れているのがわかりますか。撮影場所は下りの新幹線の中で三島を過ぎてからです。この日は関西方面に用事があり、日帰りで行きました。(写真1)のように、横浜でも朝のうちはきれいに晴れていたのですが、夜帰ってきたら雨が降っていました。
搭状積雲の上にできた頭巾雲
(図1)笠雲の発生
頭巾雲のある積乱雲の夕映え
(写真1)二重の笠雲(下り新幹線、三島〜新富士)
 富士山の特徴的な雲は笠雲だけではありません。富士山の風下方向には独特な形をした雲ができます。この雲は(図2)のように気流が富士山を越えるときできた上下方向の波の上に発生し、吊るし雲といいます。吊るし雲にはコマみたいな形をした雲や、飛行機の翼みたいな形というかブーメランのような形の雲があります。(写真2)は横浜市都筑区で撮影した富士山の吊るし雲です。吊るし雲としては大きな雲でした。この日は日本海を発達した低気圧が通過していて、午前中に寒冷前線が関東地方を通過しました。しかし、次の気圧の谷が接近中で、横浜では翌日が雨模様の天気でした。
搭状積雲の上にできた頭巾雲
(図2)吊るし雲の発生
頭巾雲のある積乱雲の夕映え
(写真2)富士山の吊るし雲(横浜市都筑区)
 冬に強い寒気の吹き出しで風が強いときは、(図3)のように気流が富士山を越えるとき風下側では山の斜面に沿って上昇気流ができ、そこに雲が発生することもあります。旗みたいに見えるので、旗雲と呼ばれています。さらに、富士山を越えた気流が地面に当たってジャンプし、そこに雲が発生することもあり、ジャンプ雲といわれています。(写真3)は真冬に河口湖で撮影しました。山頂から左側に流れ出ている雲があります。これが旗雲です。また、赤い矢印で示したところから雲が発生しています。これらはジャンプ雲といえるでしょう。(写真3)を撮った日より前から冬型の気圧配置が続いていましたが、この日は新たな寒気が流れ込んでいました。
搭状積雲の上にできた頭巾雲
(図3)旗雲の発生
頭巾雲のある積乱雲の夕映え
(写真3)旗雲とジャンプ雲(河口湖大橋)


(写真4)鉢巻のような雲(御坂峠)
 ときには、(写真4)のように鉢巻を巻いたような雲が出来ることもあります。最初は富士山の向こう側だけに雲がありましたが、時間とともに写真の左側の雲が延びてきて雲の鉢巻が出来ました。日が傾いた1時間後には鉢巻は消えていました。
 富士山麓の天気俚諺(てんきりげん:天気のことわざ)では富士山に笠雲や吊るし雲ができると、天気は下り坂に向かうといっています。旗雲の場合はそのようなことはない代わりに風が強まるといっています。ここで載せた笠雲や吊るし雲のあとは横浜でも天気が下り坂に向かいました。これらの雲は東京や横浜の天気も教えているのかもしれません。
 富士山の雲が体系的に分類され、このような名前が付けられたのは戦前です。分類したのは、阿部直正公爵(理博)です。戦後もこれらの雲に再び関心が向きました。気象庁や気象研究所の人たちにより、写真撮影による位置や高さの観測や、高層気象データによる解析、数値実験などでこれらの雲の発生の仕組みが研究されました。その中で吊るし雲については、90年代に家政大学の先生(元気象研究所)が複数方向からの写真撮影による観測だけでなく、気象衛星(ランドサット)の雲画像を使って発生位置の解析を行っています。

 富士山の雲から離れましょう。(写真5)を見てください。山の稜線に布切れというか真綿をかけたような雲があります。滝雲と言います。稜線の反対側で発生した雲が山の稜線を越え、斜面に沿って流れ落ちて消えていっています。私も別のところで見たことがありますが、音もなく雲が山の斜面を流れ落ちて消えていき、まるで雲の滝のようでした。このようなことでこの雲は滝雲と呼ばれたのでしょう。

(写真5)上越国境の山にできた滝雲(写真提供:加地智彦氏)
 山を越えてきた空気の温度が山の手前にある空気よりも温度が低かったので、雲ごと空気が山の斜面に沿って流れたのだと思います。ところが空気は下降すると温度が上がります。すると、空気が含むことができる水蒸気の量が増えるので、雲粒が蒸発します。このようなことから(写真5)のような雲になったのでしょう。
 まあ野暮なことは考えず、これらのような雲を見たら、自然が作る造形の不思議さ、面白さを楽しんでください。

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