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雪まくり
 
 子どもの頃、東京都世田谷区に住んでいた私は、雪は珍しいので雪が積もった後は大喜びして外で遊んだものです。雪はまさに自然が与えてくれたおもちゃです。しかし成人してからは、雪が降り積もった日は通勤のことを考えると憂鬱になります。特に首都圏は雪に弱く、少しでも雪が積もろうものなら、たちまち交通が大混乱となってしまうからです。

雪まくり
(図1)雪まくり

しかし一面の銀世界は綺麗ですし、雪は自らすばらしい造形をします。社会人になって間もない頃、高橋喜平氏による「雪と氷の造形」(朝日新聞社刊)を手にしたときは驚きました。この本にはさまざまな自然による雪や氷による造形の写真が出ており、表紙にバームクーヘン状になった雪の写真が出ていました。このようになった雪を「雪まくり」といいます。(図1)は雪まくりの一部をスケッチしたものです。

この本には、平地に雪が積もったあと、急に気温が0度前後になり、突風が吹くと、雪が海苔巻き状になって転げていくと書かれています。木の枝の雪が斜面に落ちてできることもあるそうです。

このような現象はヨーロッパでは早くから知られており、イギリスではスノーローラー、ドイツではシェネーウェルチェンなどと呼ばれているそうです。日本でも江戸時代から知られていて、山形県庄内地方では、その形が米俵に似ていることから、「雪俵」と呼んでいたそうです。

「雪まくり」という言葉は、山陰地方で斜面の雪が転がり落ちて大きくなったものをいっていたそうです。大正時代初めに気象学者の岡田武松博士が、平地の雪が突風で転がってできるものにこの「雪まくり」を使ったので、それが用語として定着したそうです。

以前、秋田県出身の上司に「雪まくり」の話をしたら、「チョ、チョッと雪の表面をはがし、斜面を転がすと簡単にできる。」と言っていました。この本にも雪国の子どもは斜面で雪を転がしてバームクーヘンのようになるのを見て喜んでいたと書いてありました。上司も子どもの頃はそうだったのかもしれません。そういえば、私も子どもの頃に雪だるまを作ろうとして雪玉を転がしてもきれいな球にならず、雪が板状にはがれ海苔巻き状に大きくなっていったのを覚えています。

(写真1)は京都清水寺の本堂(有名な清水の舞台のあるところ)の屋根に出来た「雪まくり」です。「雪と氷の造形」の表紙のように見事なものではありませんが、海苔巻き状というか渦巻き状の雪の玉がわかるでしょうか。

清水寺本堂の屋根にできた「雪まくり」
(写真1)清水寺本堂の屋根にできた「雪まくり」

(写真2)は幾つもの「雪まくり」が清水寺の脇にある地主神社の屋根にできています。いずれも屋根のテッペンから落ちた雪が斜面を転がりながら作った「雪まくり」です。

地主神社の屋根にできた「雪まくり」
(写真2)地主神社の屋根にできた「雪まくり」

(写真3)は同じ日に正面に見える「子安塔」付近から「舞台」を写したものです。写真の好きな地元タクシーの運転手さんが、「今日は仕事を休んできた。清水寺がこれだけ綺麗に雪化粧するのも珍しい。」と言っているのが聞こえました。雪の京都はなかなか趣があっていいものです。その後、これだけ清水寺が真っ白になったのを見ることはできませんでしたし、屋根にできた雪まくりを見ることはありませんでした。

子安の塔からの清水寺本堂
(写真3)子安の塔からの清水寺本堂



参考文献:「雪と氷の造形」(朝日新聞社 1980)
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