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連載エッセイ [45]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

「若水」は恵方の井戸からの水

 

 

 

 正月をむかえると、数え年で歳を重ねることから、昔はせめて老化しないように「若返る水」を汲み取って神棚に供える風習が継承されてきた。その水は元日の朝に、一番に汲み取った水を供えて礼拝する慣わしであるが、水への感謝と家族の幸福をも祈ったり、邪気をもはらっていたとされている。ことさら宮中では旧正月である立春の早朝2〜4時に「恵方の井戸」から汲み取った水を天皇に捧げるという。

 樋口によると、若水で口をすすいだり、お茶をたてたりする風習もあるという。若水を汲みに行くことを「若水迎え」とも言い、東日本では一般にその年の「年男」の役目とされているが、西日本の一部の地域では女の役目だともされる。秋田や岩手県では、桶に餅をいれてもって行き、二つに割った一つを井戸に供え、もう一方を若水に入れて持ち帰るという。その餅を6月1日の歯固めの時に食べたり、夏季の草刈時に餅をつぶして顔や手に塗って虫刺され予防にされたとも言う。

 

 「飲むと若返る水」といえば、万葉集13巻に「変若水(おちみず)」を詠んだくだりがあり、これは別に「復水」「越水」とも言われ、繰り返したり、初めに戻ったりするという意味のようである。そのことを月の満ち欠けにたとえ、万葉集には「月読」(不死信仰の対象としての月)が若返りの水を持っていると信じられていた風にも詠まれている。

正月三が日も過ぎて「寒の入り」(小寒の季節に入る1月5日ころ)から9日目の日に汲む水を「寒九の水(かんくのみず)」といい、一年で最も澄んだ水で、腐らないとされている。「寒の水を飲むと風邪を引かない」とか、薬を飲むのに良いともされている。「寒九の水汲み行事」が今でも、新潟県五泉市の「いずみの里」で毎年行われているようである。

 「寒に入って九日目に雨が降ると、その年は豊作となる」という諺もあり、「寒九の雨」と言われる。

 

[注釈] 寒九の水がなぜ澄んでいて良質か考えてみると、水温とか透明度が関係していると思われる。この時季の川や池、浅い地下水(井戸水)の温度は一年で最も低温である。透明度も大きい季節である。水温や透明度の年変化を見ると明らかである。七公害のうちの水質汚染も冬季は一年のうち最も低濃度である。

 

第1図 河川水温の年変化 (破線〜水温、実線〜ほぼ気温に相当、 新井・西沢,1974)

 

第2図 湖水の透明度 (新井・西沢, 1974)

文献:

中川 勝:『楽水』 (東京図書出版、2008)

樋口清之:『日本人の言い伝え、ものしり辞典』 (大和出版、1978)
新井 正・西沢利栄:『水温論』 (共立出版、1974)



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