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連載エッセイ [36]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

ブドウの種を食べると盲腸になる

 

 

 子どものころ近くの山へ行ってヤマブドウを取ってきて、舌が真っ青になるほど食べ過ぎるとお婆ちゃんに盲腸になるよって脅かされたことを思い出す。ブドウやウリの種を食べたからといって盲腸(虫垂が炎症し化膿する虫垂炎のこと)になることはないと医者は言う。

 広島の吉備高原にブドウの美味しいところがある。霧で有名な三次盆地である。日本の各地に霧で有名な盆地とか谷合があるが、雲海のように霧が広範囲に、かつ低く発生し近くの小高い丘陵の頂からの眺望は見る人の目を喜ばせるものがある。広島県の内陸にある三次盆地の霧の海は有名である。ここの盆地霧は移動性高気圧に覆われた晴天時における盆床での放射冷却が主たる成因であるが、3本ほど流れ込む川面の霧(川霧)が流れ込む分も加わって一層霧の厚さと面積が拡大するようである。この見事な霧の海が当地の名産ピヨーネという葡萄の甘さを生むという利点がある反面、近くを走る中国自動車道からの排気ガスが酸性霧をもたらすというデメリット面もある。

 

 フクシマ原発でひところ放射能汚染で心配された福島盆地もときに霧につつまれることがあり、霧の海から孤島のように突き出た信夫山(盆床からの比高が200m)の頂が浮いて見えることがある。これも放射冷却による気温の逆転によって発生する盆地霧であるが、その中腹から山頂にかけての斜面の温暖帯には江戸時代に輸入栽培されたという柚子が植わっている。筆者はかって福島大に奉職時代に、徒歩で気温の垂直分布を測定していて柚子畑あたりにくると肌身でも下層より温度が高かったことを思い出す。柚子の北限地といわれていたが多分商業栽培での北限だと思う。輸入栽培されたとされる江戸時代に気温を測ったとは思われないから、古老が体感的に把握した「斜面の温暖帯」の位置に柚子を植えたのであろう。

 

 三次盆地のピヨーネに限らず葡萄の栽培には気候条件が大きく関わっていることは、葡萄の分布パターンから気候区が判断できるほどのようである。

 葡萄といえばワイン、ワインといえばフランスかドイツが有名であるが、筆者がUCLAに在外研究員として滞在中に訪れた北カリフォルニアもワインビジネスが盛んで、広大なブドウ畑が展望できた(1975年)。気候温暖といえどロッキー山麓の冷気流や放射冷却などによる接地逆転が冷害をもたらさないように、馬鹿でかい扇風機を多数設置してあったことを印象深く覚えている。このようにブドウ栽培は地理的条件とりわけ気温・日照・降水などの気象条件が微妙に影響するといわれている。同じカリフォルニア大学デイヴイス校のアメリン・ウインクラー両博士によって「気候区分によるブドウ栽培地域の設定は注目に値する。これは日平均気温が10℃(華氏50°F)以上の積算気温で区分したものである(下表参照)。

(シニアソムリエ島幸子、2007)

 

 美味しいワインを産出しているフランスに「葉多ければブドウなし」という諺がある。 密植であったり、剪定不足であったり、あるいは窒素肥料が多過ぎたりすると、葉や枝が混んで実がなりにくいという意味である。そのことを人間にたとえて「言葉の多い者は真心がない」ことの喩えとしても使われる。

 ワインに関する諺がある、「新しい酒は新しい革袋に盛れ」という、ここで言う酒とは葡萄酒のことである。西洋では新しい酒(ワイン)は新しい革袋に入れて発酵させるのがよいとい意味である。古い袋では雑菌がつているので良い酒にならないとされる。この諺を人の社会に援用して「新しい思想は新しい形式で表現した方が良い」という風に用いられる。

 

文献:

島 幸子:『クライメットとワイン』(日本生気象学会誌 44巻3号、53p、2007)

星 克美:正・続『村のことわざ事典』(富民協会、1977・1979)



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