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連載エッセイ [35]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

蟋蟀の8秒間の鳴き声数に4足すと気温

 

 

 虫の音などは俳句や短歌の世界になじむ日本人にとっては親しまれている風物の一つであるが、ファーブルを生んだフランスをはじめ欧米人は虫の音を嫌う人すらいるという。そんな中でコオロギが「14秒間に鳴く数に40を加えると華氏の気温の値になる」という研究を、アメリカで調査されたという珍しい話がある。華氏を摂氏になおして換算すると「八秒間に鳴く数に四を加えると摂氏の値」になると安斉政雄(1984)は著書に書いている。寒さからくる肩刺せ裾刺せとリーリーリーと鳴くのがツヅレサセコオロギとか、大型で頭が閻魔大王に似ていてコロコロリーと声高に鳴くエンマコオロギ、頭が三角型していてチッチッチッと鳴くのが三つ角コオロギなど、種類によって鳴き方も様々であり、日本国内だけでも50種ものコオロギがいるという。

 

 俳句では「蟋蟀が髭をかつぎて鳴きにけり」(一茶)などあり、短歌では「庭草に村雨降りて蟋蟀の鳴く声聞けば秋付きにけり」(万葉集)などがある。この歌も含めて万葉集にはコオロギを詠んだ歌が7種もある。平安朝には虫の音色の善し悪しを競う「虫合わせ」とか、好きな虫を放って声を聞くという「虫放ち」など、色々な楽しみ方に興じていたとされる。

 

 欧米人には虫の音を嫌う人が多いということを医学的に裏付ける説もある。虫の音を左脳(言語中枢)で受けるのと、右脳(音楽中枢)で受ける違いだと言う。要するに日本人は左脳型で虫の音をきれいな言葉として聞くのにたいして、欧米人は雑音に感じるか、良くて音楽的にとらえると言うことの様である。音楽ならまだしも雑音視は頂けない。

 

 測候所の無人化により生物季節観察はできない

 

 気象観測の自動化とその精度の向上で、観測要員が不要になってきたのか借地代や人件費の予算の節約などもあるのかも知れないが、測候所の無人化が進められ有人の測候所は数えるしかない状態のようだ。地方気象谷にも劣らない大きな測候所にも生物季節観測が実施されていたが、まずこの重要な観測が出来なくなっているのは残念である。温度計や湿度計では計り知れない気象の変化に反応してくれている植物や動物の季節変化や年々の変化は、まさに総合的な指標となっているのである。和辻哲郎の『風土』の一節を人から生物に代えると「夏とは一つの気候ではあるが、しかしその気候は生物の存在の仕方である。ただ気温の高さと日光の強さとのみでは生物は夏を見出せない」ということである。

 日本全国で約160の気象台と測候所があるが、後者がすべて無人化するとおおよそ3分の1の地方気象台(原則として各県に1箇所、北海道だけは5箇所)だけで生物季節観測が実行されることになる。世界レベルでみれば決して少ないわけではないが、南北に長い長野県や岩手県、あるいは東西に大きく浜通り地域(海側)と中通り地域及び会津地域では天気がかなり異なるので、有人測候所での生物季節観測は詳細な情報獲得には不可欠な存在であったのである。

 かつて保健所や小学校などに委託していた区内観測所(甲種観測所といい、雨量観測だけの乙種観測所と区別)に代わってできたアメダス(Amedas:Automated Meteorological Data Acquisision System:地域気象観測システム)は地点数もかなり少なくなったし完全無人化であるから、雷や降雹、降霜の情報も得られないのである。もっとも人間生活とって重要な種々の観測項目がロボットでは不可能なのである。幸いなことに、昨今は民間の気象会社が全国各地の一般市民の協力を得て、桜の開花などの植物季節や渡り鳥の動向を記録して、生物季節前線の予報に役立てているようである。

 

文献:

安斉政雄:『気象の散歩道 花信風』(東洋経済新報社、1984)

毎日新聞地方部特報班編:『気候図物語』(毎日新聞社、1995)



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