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連載エッセイ [27]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

麦の穂が出たら浅蜊は食うな

 

 

 初夏に麦の穂が出るころはアサリの産卵期であるから、そのころに貝類を食べると食中毒を起こしやすい。食べるならよほど注意をしなければならないという。言うまでもなく潮干狩りは旧暦3月3日(新暦では4月上旬)の大潮のころが最適期ではある。

 入梅前の初夏は、真夏にくらべ空が澄んでいて日差しが眩しいくらいである。日光はその明るさだけでなく、殺菌作用やビタミンの吸収を助けるなど、人の健康にとってきわめて大切なものである。

 

 太陽は霧を払い、鰊は病を払う

 

 この諺はオランダのものである。眩いばかりの太陽光は霧を払ってくれるのに対して、鰊を食べれば病気知らずという。ニシンだけではなくサンマやイワシ、サバなどの青い魚の油には、血栓や動脈硬化などの予防に効果のあるEPA(エイコサペンタエン酸)や脳を活性化するDHAが多く含まれているとされる。だからオランダではイワシがたくさん捕れるところには医者は少なくてすむと古くから知られている。

 イワシと言えば、新潟地方に「コブシの花が咲くとイワシが捕れる」といい、特に4月から5月にかけて日本海低気圧が接近し、太平洋高気圧が発達すると、イワシが豊漁となるといい、その状態を「イワシいきれ」というようである。太平洋高気圧の縁を南風によって暖流が強く流れイワシが豊漁となるのである。そしてそんな夏は暖かく豊作ともなるので、東海地方の諺に「貧乏サンマに福イワシ」というのがある。これはイワシが豊漁名年は農業も豊作だが、サンマがよく捕れる年は寒流のため冷夏になり不作となるという意味らしい。

 一方、サバも外見上は腐っているのが見分けにくいので、サバが有する甘味成分のヒスチジンが夏の高温で分解し有毒なヒスタミンができてしまい、食中毒や蕁麻疹を起こす危険がある。ヒスタミンは悪臭もしないので気がつかないので注意しなければならない。「サバの生腐れ」という。物事を騙すことを「さばをよむ」というが、生腐れに騙されないように。

 最近の猛暑の夏や冷夏の繰り返しはエルニーニョ年とラニーニャ年の繰り返しにも反映しているようであるが、このリズムは当然海水温の変化でもあり、漁獲にも大きく影響していることは明らかである。マイワシはサバなどの小型浮魚群と違って海水温の寒暖に大きく左右されることは図に示されている通りである。近年のマイワシの不漁は日本近海の異常高温現象によることは明らかである。

 魚介類を多食する日本人には、梅雨から夏にかけて多発する腸炎ビブリオという細菌が引き起こす食中毒で死ぬ人が多く、さすがの日本史上最大の政治家将軍であった家康も食中毒であっけなく死亡した話は有名である。イワシが水から出るとすぐ死に安いと言うことからであろうか弱い魚「鰯」と書き「ヨワシ」が「イワシ」となったとされるが、上記のように各種病気予防に効果があるのも弱い者の味方なのである。

 

 

文献:

西谷裕子: 『暮らしの健康ことわざ辞典』 (東京堂出版、2009)

星 克美: 『村のことわざ事典』 (富民協会、1975)
川崎 健: 『イワシと気候変動』 (岩波新書、2009)
江戸家魚八: 『魚へん漢字講座』 (新潮文庫、2002)



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