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生きもの歳時記 万葉の生きものたち


百合(ゆり)

 ユリ科は北半球の亜熱帯〜亜寒帯に分布し、約240属、4,000種からなる大きな科です。多くの有用植物を含み、美しい花と芳香をもつ種は観賞用として、またネギやニンニク、ユリネ、サフランなどは食用や薬用として利用されています。

ヤマユリ
コオニユリ
鱗茎(ユリネ)を食用にするユリ
(左:ヤマユリ 右:コオニユリ)

 ユリはユリ科のうちユリ属の総称で世界中に約100種が知られています。日本にはそのうち約15種がありますが、固有種が多く分布しています。また日本の固有種には、他の地域に生育する種に比べて、花が大きく、花の色もあざやかであり、よい香りをもつ種があります。このため、ユリの園芸品種の作出では、日本のユリが大きな役割を果たしてきました。特にヤマユリ、カノコユリなどの交配品種はオリエンタルハイブリッドと呼ばれ、ユリの品種の中では最も人気のあるグループです。

ヒメサユリ
クルマユリ
美しい日本産のユリ
(左:ヒメサユリ 右:クルマユリ)

 百合を詠んだ歌は万葉集に十一首収録されていますが、種が特定されているのはヒメユリを詠んだ一首のみで、残り十首は「さ百合」または単に「百合」として詠まれています。これらの歌で詠まれたユリはいったいどの種だったのでしょうか?

 「大和の植物」によると、多くの歌が詠まれたと考えられる奈良大和路の平野部や丘陵部に分布するユリは、主にヤマユリ・ササユリです。ヤマユリはどちらかといえば大和路に少ない種ですが、ササユリはかつて普通に見られる種でした。おそらく万葉の歌人たちはササユリを見ていたのではないでしょうか。

油火(あぶらひ)の 光に見ゆる ()(かづら) さ百合の花の ()まはしきかも

(大伴家持 万葉集 巻十八 四〇八六)

 あぶら火の光に映えて見える私のかずらの百合の花が美しいように、皆さんが壮健であるのは喜ばしいことです。

 この歌は大伴家持が宴席で、贈られたササユリの髪飾りを着けて詠んだ歌といわれています。万葉の人々にとって、ササユリは髪飾りにするほどに身近であったようです。しかし、近年ではまれにしか見られない種になってしまいました。

 奈良市の率川(いさかわ)神社では、毎年6月17日に三枝祭(さいぐさまつり)が開かれます。この祭りは別名百合祭りともいわれ、大宝年間(701〜703年)から行われていると伝えられる古式ゆかしい祭りであり、ササユリが主役です。

 祭りに用いられるササユリは大神(おおみわ)神社のご神体である三輪山に自生するもので、酒樽に飾って神前に供えられます。また、ササユリをかざした巫女による神楽が奉納されます。

 供えられたササユリは参拝者に配られていたのですが、近年は自生のササユリが減少していることもあり、造花が配られるそうです。

 ササユリにはいつまでも飾りにできるほど身近な花であってほしいものです。
ササユリ
美しく咲くササユリ
花は薄い桃色であるが、時には白も見られる。白はやや珍しい。

■参考文献
佐竹義輔・大井次三郎ほか (1982) 日本の野生植物 草本機(針渕.
相賀徹夫 (1989) 園芸植物大辞典 5 小学館.
藤本敬治 (1972) 大和の植物 六月社書房.
長峰八州男 (1988) 万葉花の名歌 毎日新聞社.
佐竹ら校注 (2003) 新日本古典文学大系4 萬葉集四 岩波書店.

 

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