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生きもの歳時記 万葉の生きものたち


霍公鳥(ほととぎす)


ホトトギス

 「テッペンカケタカ」、「東京特許許可局」の聞きなし(鳥の鳴き声を人の言葉に置き換えて表すこと)でお馴染みのホトトギスは、南アジアで越冬し、日本に繁殖のためにやってくる夏鳥です。

  他の夏鳥は、年によって春に渡来する日がずれる事がよくありますが、ホトトギスなどのカッコウの仲間は渡来する日が大きくずれません。カッコウの仲間は、日本には主に4種類が渡ってきますが、一番早いのがツツドリで4月中〜下旬、その次がジュウイチで5月上旬、カッコウが5月中旬以降、そして最後にホトトギスが5月末にやってきます。

  毎年正確な時期にやってくることから、例えばホトトギスの渡来は、田植えの合図とされていました。そして季節の区切りを示す=時を告げる=「時鳥」という当て字が使われたりもします。その他によく使われる漢字は「不如帰」、「杜鵑」、「子規」、「霍公鳥」などでしょうか。

() の花の 咲き散る岡ゆ ほととぎす 鳴きてさ渡る 君は聞きつや

(作者不詳 万葉集 巻十 一九七六)

卯の花が咲き散る岡から、ホトトギスが鳴いて飛び渡って行きましたよ。あなたは聞きましたか?

 ホトトギスは万葉集で150首以上と野鳥の中で最も多く詠われています。その中で5月頃に咲く卯の花(ウツギ)と一緒に詠まれているものが15首あります。花が咲き、そして散り始める5月末に渡来することから、移りゆく季節を感じていたのでしょうか。

うぐひすの (かひご) の中に ほととぎす ひとり生れて ()が父に 似ては鳴かず ()が母に 似ては鳴かず・・・・・

(高橋虫麿 万葉集 巻九 一七五五)

ウグイスの卵の中にホトトギスが一羽生まれて、お前の父や母であるウグイスのようには鳴かないようだ。・・・・・

 カッコウの仲間は自分で巣を作らず、産んだ卵を他の種に預け、子育てをしてもらいます。これを託卵といいます。ホトトギスがウグイスに託卵することは万葉集の頃からすでに知られていました。
 ホトトギスが託卵する相手のほとんどはウグイスです。そのため、生息場所もウグイスと同じような低地から山地のササ藪周辺です。ウグイス以外では、ミソサザイ、センダイムシクイ、クロツグミ、アオジ、ベニマシコに託卵した例が知られています。


ツツドリ
 カッコウは、ホオジロやオオヨシキリのほか、オナガなど28種への託卵が知られています。ツツドリはセンダイムシクイやメボソムシクイ、ジュウイチはオオルリやコルリ、ルリビタキなどに託卵することが知られており、生息場所はそれぞれの託卵する相手の生息場所と同じになります。

 ホトトギスの卵はウグイスの卵によく似たチョコレート色をしていて、ウグイスより数ミリ大きく、比率にして1.13〜1.15倍です。しかし、ウグイスの全長が14〜16cmに対して、ホトトギスはその倍の28cmもあり、ホトトギスの大きさを考えれば実に小さな卵です。

 親鳥が巣から離れるわずかなスキに、ホトトギスは卵を巣内に産み付け、ウグイスの卵を一つくわえて持ち去ります。巣に戻った親鳥はホトトギスの卵と自分の卵を温めます。ウグイスの卵よりも早くホトトギスの卵がかえり、生まれた雛は数時間後には、ウグイスの卵を背中に載せ、巣の外に放り出します。その結果、ホトトギスの雛は親の世話を独占して大きくなります。

 ウグイスの親は、自分の2倍の大きさの雛を育て上げることになります。普通に子育てをする場合よりも多くの餌を運ばなくてはなりませんから、ウグイスには相当の負担になっているかもしれません。しかし、ウグイスはお腹をすかせた巣の中の雛のために、せっせと餌を運び続けます。

 もっとも、ウグイスも含めて託卵される鳥たちは、対抗手段も身につけています。カッコウの仲間が巣に近づけば、追い払ったり時には直接攻撃したり、巣の中に産み込まれた卵を見分け、その卵を巣の外に放り出したりもします。

 しかし、このような対抗手段を全ての鳥が身につけているわけではありませんから、毎年どこかで、親の倍もある大きな雛が、小さな巣の中で大事に育てられているのです。


渡り途中のツツドリ

■ 参考文献
樋口広芳 (1986) 鳥たちの生態学 朝日新聞社.
荒垣秀雄編 (1976) 朝日小事典 日本の四季 朝日新聞社.
中村登流・中村雅弘 (1995) 原色日本野鳥生態図鑑(水鳥編) 保育社.
松田道生 (2003) 大江戸花鳥風月名所めぐり 平凡社.
菅原浩・柿沢亮三 (1993) 図説日本鳥名由来辞典 柏書房.
佐竹ら校注 (2000) 新日本古典文学大系2 萬葉集二 岩波書店.

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