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生きもの歳時記 水中の風情


南の島の清流で 〜リュウキュウアユ〜

 奄美大島の3月は急速に暖かくなります。山深くから流れ出る川の河口には銀白色の小魚が群がり上流へと遡って行きます。
 水中マスクを水面から上に向けると小魚の群れているところより上流は川のせせらぎがみえますが、下流には海に向かって水の中から木がたくさん生えている光景が広がっています。マングローブと呼ばれるメヒルギとオヒルギの群落です。群れている小魚はリュウキュウアユの幼魚です。大きさは2.5〜3cm、中にはシラスのような透明な体をした稚魚も混じっています。


リュウキュウアユは本土のアユに比べて、背びれ全体が長い、
うろこが粗いなどの特徴がある。


 川を遡ったリュウキュウアユは、亜熱帯の夏を清流域で過ごします。川底の石についた藻を食べ、はみあとを残すのは本土のアユと同じです。奄美大島の川では同じように藻を食べるボウズハゼがたくさんいて、常に餌の取り合いがあるのかと思われましたが、見ていても双方あまり気にはしていないようでした。勢いよく泳ぎながら石の表面をはぐリュウキュウアユと腹びれの吸盤で石に吸い付き、特殊な口で藻を舐めとるボウズハゼが同じ場所に生活しています。暑い夏の直射日光が遮られた木漏れ日の瀬落ちに潜って優雅に泳ぐ魚影を眺めていると時間のたつのを忘れます。

石についた藻類をはむ(唇をこすりつけて削りとる)
様子がよくみられる。

 リュウキュウアユは、1988年に日本本土のアユと遺伝学的に異なる集団として分類されました。琉球と名がつくように琉球列島の奄美大島と沖縄島に生息しますが、沖縄島のものは1980年代には絶滅してしまいました。主な原因は急速な開発による赤土の流入や河川改修ですみ場や産卵場がなくなったことです。その後、奄美大島産のリュウキュウアユが養殖されて沖縄島のダム湖に放流され、陸封された集団が生息を続けています。また、以前にリュウキュウアユが生息したとされる河川にも繰り返し種苗が放流されていますが、河川の整備との融合が不十分なところが多く、自然再生の努力が徐々に行われてきていますが、まだ完全に回帰できる状況にはなっていないようです。


3月には海から川へ遡上する幼魚の群れがみられる。

 産卵時期は11〜2月、遡上期は2〜5月で本土のアユより海ですごす期間が短くなっています。温帯性で川と海を行き来する回遊魚が水温の高い亜熱帯地域に適応したためと考えられています。リュウキュウアユの存在は琉球列島の地史と深い関係があり、学術的にも重要な種とされています。環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧毅僧爐縫薀鵐されています。従来生息していたものが絶滅してしまった沖縄島の反省を踏まえて奄美大島でのリュウキュウアユが生存しつづけるための配慮がさらに必要となっています。

■ 参考文献
・ 川那部浩哉、水野信彦、細谷和海 編・監修,1989 山渓カラー名鑑 日本の淡水魚,山と渓谷社,719pp.
・ 西島信昇 監修,2003 琉球列島の陸水生物,東海大学出版会,572pp.
・ 環境省編,2003 改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物―レッドデータブック―4 汽水・淡水魚類,財団法人 自然環境研究センター,230pp.
・ 沖縄県,2005 改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(動物編)―レッドデータおきなわ―,561pp.

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