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生きもの歳時記 水中の風情


流浪の果ての絢爛と飽食 〜来遊魚の運命〜

 日本の沿岸を流れる黒潮にのって、南の海からサンゴ礁性の魚がやってくることは良く知られています。東京湾でも水温が年間で一番高くなる夏から秋にかけて、1円玉から500円玉ほどの大きさのきれいなチョウチョウウオの仲間の稚魚や幼魚を見ることができます。

 黄色やオレンジの目立つ色彩と、埋立地の岸壁下でムラサキイガイの間をチョコマカと泳ぎまわるかわいらしい姿は、その場にミスマッチングであり、目立つ分危険が多いのではないかと思われます。

セグロチョウチョウウオ トノサマダイの幼魚
セグロチョウチョウウオ(左)、トノサマダイ(右)の幼魚
東京湾で秋にだけみられる南海からの来訪者

  同じような時期、護岸際に吹き寄せられたビニール袋や食品トレイ等の浮遊ゴミに混じって、海藻のホンダワラ類が浮いているのが見られます。ホンダワラ類には気胞があるため本来生えている岩場から切れて海面を漂い、海流に乗って遠くまで運ばれます。これを流れ藻と呼び、ブリやシイラの稚魚等たくさんの魚類、甲殻類が餌場、隠れ場として利用します。その流れ藻の中に定住し、体の形状や外面まで流れ藻にカモフラージュし、小魚や甲殻類を餌にしている魚がハナオコゼです。

 ハナオコゼはアンコウの仲間で、胸鰭が手足のようになって流れ藻につかまり、じっとしているところへ小魚が近寄ると大きな口を一瞬であけ、海水もろとも飲み込んでしまいます。その食欲はとどまるところを知らぬようであり、腹がはちきれんばかりになっている姿を良く見かけます。

  しかし、季節風が吹きだし、水温が低下する冬が近づくにつれ彼らの姿は見られなくなっていきます。本来、暖かい南の海の魚であるため、チョウチョウウオ類の幼魚は南に帰る遊泳力もなく、ほとんど死んでしまうと考えられています。これは死滅回遊、無効分散と呼ばれます。ゴミとともに岸に吹き寄せられた流れ藻が住処であるハナオコゼもどうなってしまうのでしょうか。

ハナオコゼ
吹き寄せられた流れ藻やゴミの中に身を隠し、
小魚やエビ等を狙うハナオコゼ

  自然の摂理の中で、死滅回遊が分布域拡大の過程とか、種族分化のきっかけと言われることもあります。おりしも地球温暖化の影響でサンゴ群集の北上があることもわかってきています。もしも死滅しない回遊が成立した時、はたして彼らに繁栄をもたらすことになるのでしょうか。

■ 参考文献
・ 尼岡、仲谷、矢部,1995 北日本魚類大図鑑,(株)北日本海洋センター,390pp.
・ 岡村、尼岡 編・監修,1997 山渓カラー名鑑 日本の海水魚,山と渓谷社,783pp.
・ 日高敏隆 監修,1998 日本動物大百科 第6巻 魚類,平凡社,204pp.

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