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連載エッセイ [06]
異常気象時代のサバイバル
吉野正敏

 
サバイバルの季節変化
サバイバルの季節性

 去る2014年3月8日、第17回バイオクリマ研究発表会が開催された。興味ある研究成果を多数聞くことができた。そこで報告されたサバイバルの季節性について、2〜3紹介したい。
 異常気象時代のサバイバルの中で、季節変化の異常、特に、時間値、日最高・日最低値の極端な値が従来とは違った季節に現れることが、サバイバルの最終過程で重要である。すなわち、生きるか死ぬかを決定する。この実態が、以下に述べるように少しずつわかってきた。

死亡の季節性

 死因には、病死・自然死・災害死(事故・自殺)がある。病死の対策は医学が対処することは言うまでもない。(図1)は急性心臓死件数の1995年から2005年までの10年間における月合計値による経年変化を示す。
(図1)急性心蔵死件数の月月変化。1995年1月〜2005年12月。(濱松、2014)

 この図の資料は東京都監察医務院が東京都23区内で発生した(発見された)死体の検察・解剖による検体数である(濱松、2014)。一見して、見事な季節性がわかる。少し詳しく見ると次のようなことがわかる。
(1) 1月を中心にして冬に高いピーク(山)がある。
(2) それに対し、暖候季には件数が少ない(谷の)期間がある。
(3) この暖候季の谷の期間中に、小さなピークが認められる年がある。そのピークが二つある年は1995年、2001年、2002年、2003年、2004年である。すなわち近年に多く認められる。
(4) この暖候季の小さいピークが一つの年は1998年、1999年、2005年である。ピークが0の年は1996年、1997年で、近年は発生していない。
(5) 年変化の全体が右肩上がりになっている。これは検体数が近年増加しているためであろう。同様に、上記(3)の傾向も、検体数の増加により、詳しい傾向が捉えられたのかも知れない。近年の地球温暖化の影響かどうかは、詳しい検討を要する。
 以上をまとめると、急性心蔵死件数の寒候季のピークは鋭く大きい。これは従来、指摘されてきたことである。それに対し、暖候季の谷の期間は長い。その間に小さいが1ないし2のピークがある年が近年多い。サバイバルにとって、冬の対策・対応が最も重要である。しかし、件数は少なくても、暖候季にも出現のピークが認められ、今後、対策・対応を強化する必要があろう。

感染症の季節性

 食品が媒介する感染症胃腸炎は冬から春にかけてノロウィルスやロタウィルスによるものが流行する。また、腸炎ビブリオなどによる細菌性のものは夏に多い。しかし、最近は食品の家庭における保存方法や、流通過程における冷凍方法や販売までが良くなってきて、暖候季と寒候季の差がなくなりつつある。
 インフルエンザは冬に流行する。これは寒い季節には閉じた狭い空間に多数の人が集まりやすく、屋外は乾燥・低温のため、気道の粘膜が感染に弱くなっているためである。

交通事故死

 事故による死者数、すなわち、交通事故死者数・窒息死者数・溺死者数・転倒事故死者数のそれぞれの月合計値による年変化を(図2)に示す。
(図2)事故種類別の死者数の年変化。1998年〜2007年の平均。
(高橋、2014、「資料は厚生労働省、2009、平成21年度、不慮の事故死亡統計の概況」による)

 交通事故死者数は季節性が見られない。10月・11月・12月・1月に多い。春に少なく、秋に多い。この年変化型は特有である。考えられる原因は日中と夜間の時間差にあるのではないか。すなわち、11月から1月は夜の時間が長い。10月はその季節に移行する時で長くなってきた冬の状況に対応しきれず多くなる。2月はすでに短くなってきた夜の時間に対応して事故は少なくなる。
 いずれにせよ、季節性を明らかにするには、事故が発生した場所と日時などの分析が必要である。都市と農村の差、高速道路・国道県道・市町村道などの差、祝祭日と平日の差、朝晩と日中の差、曜日による差、いわゆる五〜十日など、どのようになっているか、さらなる詳しい研究が必要である。
 なお、(図2)を見ると、入浴中の溺死者数は12月・1月・2月に多い。6月・9月が最も少ない。7・8月にやや多いのは海水浴・プールなどの水泳中の事故があるためであろう。季節性が最も小さいのは転倒事故による死者数である。

高齢者の事故死

 交通事故、転倒・転落事故、溺死事故、窒息事故、火災、中毒、その他を含めた不慮の事故の月別合計値は(表1)に示すとおりである。

(表1)月別に見た不慮の事故による死者数、2008年(厚生労働省、2009)

死者数

1 4,341人
2 3,748
3 3,442
4 2,940
5 2,777
6 2,434
7 2,883
8 2,775
9 2,423
10 3,000
11 3,326
12 4,064

38,153

 表は2008年の1年についての統計であるが、(図2)に示した年変化の状態とほぼ同様である。季節性もほぼ同じである。ここで紹介したいことは、年齢別に見た死者数である。すなわち、総数38,153人の内、65−74才が6,680人で全体の約6分の1、さらに、75−84才が11,346人で全体の約3分の1、さらに85才以上が全体の約4分の1を占めている。言い換えれば全体の約75%が65才以上の高齢者である。高齢者とって、不慮の事故死ほど、気をつけねばならないサバイバルの季節性はないであろう。

[文献]
厚生労働省(2009):不慮の事故死亡統計の概況。
高橋竜太郎(2014):入浴中の突然死をめぐって。バイオクリマ研究会、第17回研究成果発表会要旨集、13〜15.
濱松晶彦(2014):観察医から見た死亡と季節の変遷。バイオクリマ研究会、第17回研究成果発表会要旨集、20.


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