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連載エッセイ [47]
暮らしの中のバイオクリマ
吉野正敏

 
猛暑のサイクル
 
猛暑日はいつ起こるか

 1年を春夏秋冬の四季に分ける場合、最も単純なのは3、4、5月を春、6、7、8月を夏、9、10、11月を秋、12、1、2月を冬とする。同じように、1年を寒暖で2期に区分する場合、5〜10月を暖候期、11〜4月を寒候期とする。
 猛暑日とか、真夏日とかに関する気象学・気候学の立場からの定義はさまざまあるが“暑い現象”だから“夏に起こる”と思われていた。筆者も学生時代以来、そう信じて疑わなかった。経験的にも、すなわち、気象庁の観則結果でも、6〜8月に異常高温がよく発生していた。日本では、“猛暑日とは、日最高気温が35℃以上の日”と2007年以来定義されている。
 ところが、異常高温が5月や9月・10月にも、しばしば発生するように近年なってきた。2013年には10月初め、異常高温を観測した知らせがテレビ・新聞などで報道された。

波状の襲來

 熱波と言う言葉があるように、異常高温は波状にやってくる。この連続エッセイ[19][20]に2012年の場合を述べた。その波の出現状態から、次のようなことが問題としてまとめられた。
(1) 6・7・8月は5・9月より熱波と熱波の間隔は長く、波高は高く(高温に)なる傾向がある。
(2) 夏の期間の中央日頃、間隔はやや短く、波高は高く(より高温に)なる。
(3) 以上は2012年の場合である。他の年はどうであろうか。2013年も同じ状況であったろうか。
 さてこのような状況を旬別に調べてみた。日本を北日本、東日本、西日本、南西諸島の4地域に区分し、それぞれの地域における旬ごとの気温観測値の記録で第1位から第10位までに入った値を2010年、2011年、2012年、2013年について拾った。その4年についてまず回数をまとめると(表1)を得る。

(表1)日本4地域別に見た高温の発生回数*

回数
北日本 東日本 西日本 南西諸島 合計

6 0 0 0 3 3
2 2 2 2 8
2 2 1 1 6

7 3 3 2 1 9
2 3 2 1 8
0 1 3 2 6

8 1 2 3 1 7
3 4 3 3 13
2 3 2 2 9

9 3 2 1 0 6
3 3 2 1 9
1 1 0 1 3

22 26 21 18 87

*)統計資料はWikipediaにより、吉野が整理した。

 この(表1)からわかるのは次のようなことである。
(1) 旬別に見た極端な高温の発生回数は、6月中旬、7月上旬・中旬、8月中旬、9月中旬にピークがある。(表の中で、数字が太字になっている)。ピーク間の旬数(波の間隔)は夏の初めが2旬、夏の中期(最盛期)が4旬、夏の末期が3旬である。これは極めて興味ある特徴である。
(2) 地域別に見ると東日本が最も回数が多い。次いで、北日本・西日本となっている。南西諸島は少ない。この地域差は区分された地域の面積(観測地点数)の差に起因するのか、異常高温が発生する気圧配置・上層の大気の流れの状態に関係するのか、もっと解析・研究してみないと答えは出てこない。

異常高温の旬別の偏差値

 次に同じ地域別に同じく観測記録値第1位から第10位までの気温平年値からの偏差値(平年比とも言う)を旬別に調べた。その結果が(表2)である。

(表2)北日本・東日本・西日本・南西諸島における異常高温第1位〜第10位の旬別気温平年偏差*。2010年・2011年・2012年・2013年の内の発生年の平均値。偏差はすべて正(高温)。

気温平年値からの偏差(℃)
北日本 東日本 西日本 南西諸島 全国平均**

6 0.0 0.0 0.0 1.0 1.0
2.4 2.0 1.8 1.4 1.9
2.5 3.0 3.3 0.8 2.4

7 3.0 2.1 1.6 0.9 1.9
1.9 2.0 1.8 0.4 1.5
0.0 2.0 1.0 0.4 1.1

8 2.5 1.3 1.2 1.4 1.6
2.1 1.5 1.5 0.8 1.5
3.3 2.1 1.6 0.5 1.9

9 3.0 2.2 2.6 0.0 2.6
2.9 2.5 2.0 0.7 2.0
2.2 1.3 0.0 0.7 1.4

*)統計値の整理方法は(表1)と同じ。
**)発生した地域数で求めた平均。

 この(表2)からわかることは以下のとおりである。

(1) 6月中旬・9月上旬に2.4〜2.6℃の偏差が出ている。個々の地域で見ると3.0℃の偏差が見られる。このことは最初(夏の初期)の異常高温、長い夏の終り(9月上旬)に異常高温がもし発生すると偏差は非常に大きくなる。
(2) これに対して、盛夏(8月上旬)の高温偏差は平均して1.6℃、極端な場合でも2.5℃である。
(3) 波の低い(高温の偏差が小さい)旬は、おそらく大雨・豪雨などが発生する停滞前線の影響がある旬であろう。これは今後の研究課題である。

2013年の猛暑の影響

 上記のように、この4年、これまでには起こらなかったような猛暑が毎年発生しており、その旬を追った変化もある程度の類似性が認められる。当然のことながら、その影響も類似性・法則性がうかがわれる。2013年の場合を以下に列記し、さらに来年に備える準備の資料にしたい。
(1) 高齢者対策。100才以上の高齢者が(人口10万人当たりで)多いのは、島根県(82.46人)、高知県(78.59人)、山口県(71.70人)など、猛暑日の記録値が高い西日本の諸県が目立つ。猛暑の影響も当然強いわけだから、対策が必要である。
(2) 熱中症対策。2013年6・7・8月に全国で救急搬送された人は55596人。2010年の48474人以来の最多であった。しかし、死者は88人で、2010年の161人の約半分であった。死者と言う最悪の状態への対策は進んだが、一般の熱中症対策はこれからである。
(3) 猛暑の農産物に対する影響はこれまで、月平均気温、あるいは生育期間の気温との関係で研究・調査されてきた。しかし、上記のように6月から9月・10月の間に猛暑発生の波がある。出荷量・市場価格にはこの波の影響が出るから、これを考慮しなければならない。
(4) 気象学的には間接的と言わねばならないが、猛暑発生の気圧配置・気象条件の時には竜巻・強風が発生しやすい。その被害は大きい。また、皮肉にも、猛暑の波と次の猛暑の波の間には前線活動が活発化し、豪雨・雷雨が起こり、大きな災害になりやすい。人間生活への影響は大きい。
(5) このような、高温・乾燥と多雨・多湿が5月から10月まで波状にやって来るのが問題点である。


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