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連載エッセイ [33]
暮らしの中のバイオクリマ
吉野正敏

 
地震・津波被害とバイオクリマ
 
住民参加型の防災・安全情報の収集

 近年、住民参加型のワークショップなどを通じて防災・安全情報の活用が立命館大学の研究者によって検討されている。主として都市における場合についてこれまで検討されてきたが、農村部でももちろん成り立つ。地域住民の社会的立場によるニーズの違いに着目する必要があることの指摘など、注目すべき指針をまとめつつある。これを参考にしてバイオクリマの立場から防災・安全情報の収集・点検項目について考えてみたい。
 (表1)は個人から国のレベルまでの防災・安全情報の点検活動の内容を示す。

(表1)バイオクリマから見た防災・安全情報の点検活動の対象

都市型洪水 暴風・竜巻 異常高温

地域住民(個人) 集中豪雨の排水
下水道網
異常強風速
風の乱れ
酷暑下のヒートアイランド、高温対策、熱中症対策
集落単位(小地域)* 同上 同上、宅地防風林 同上、クールスポット
地域行政(市町村) 小河川、旧河道、土石流、斜面崩壊、避難場所、救援活動 周辺地形・水陸分布、避難場所 内陸平野部の酷暑地域、ヒートアイランド、クールスポット開発
都道府県 救援活動、復旧活動 救援活動、復旧活動 熱中症対策など

* 自治会区長・民生委員・小学校PTA役員など

 この表から全体像を推定できるであろう。住民参加型の見回りに際して収集すべき防災・安全情報の内容は、この表の個人・小地域のスケールにおける内容であって、これらが直接、地域の行政単位や国が把握すべき危険個所、設定すべき緊急避難場所、行うべき救護活動につながる。住民はまず室内で見回りルート・チェックポイントを検討し、それを地図上にプロットし、それに基いて現地で確認し、その結果を活動のまとめとしてまた室内で行なわねばならない。これらの詳しい手順は瀬戸寿一ほかが、地学雑誌,121(2012)946−961 に述べているので参考になる。

地震・津波による経済的被害額

 日本はこれまで何回も大きな地震・津波に見舞われてきた。東日本大震災に関しても死者数・行方不明者数、建物被害など、この連続エッセイで何回か取り上げてきた。今回は経済的な直接被害額から捉えた最近の研究結果(崔ほか、2013:歴史都市防災研究2号,39−79)を紹介しつつ、考えてみたい。被害額は2010年GDPを基準とした貨幣価値に補正し、建築物・社会基盤・産業別に割合(%)で示した。その内容を(表2)の分類に従い東日本大震災の場合を含めて、(図1)に示す。

(表2)地震・津波による経済的直接被害額の内容

被害 内容

建築物 住家、非住家、県営住宅、公営住宅
社会基盤(インフラ)
  都市施設
  流通施設
  ライフライン
  医療衛生関係
  その他

砂防・海岸公園など流通関係以外の土木施設
道路、橋梁、鉄道、港湾、漁港、空港、駅など
電力、上下水、ガス、通信関係
病院、保健所、衛生関係
上記に分類されないもの
産業
  農林水産業
  商工業

農業、林業、水産業とそれらの関連施設
工業、商業、観光業とそれらの関連施設

注:主として、崔 青林ほか(2013)による。

バイオクリマ関係では、震災直後の避難所・仮説住宅などにおける被災者自身の健康維持への直接被害額、および長期的な健康管理維持費用が算定されなければならないが、量的な把握が困難で統計資料が無く、ここでは入っていない。換言すれば、ここがバイオクリマ関連における将来の課題の一つである。

(図1)最近の大地震・津波による直接被害額の内容の割合(%)(崔ほか、2013による)
 この図を見ると、人や物が集中している都市地域では全体に対する建築物被害の割合が高い。2011年の東日本大震災の岩手県や、2003年の三陸地震の宮城県・岩手県など東北地方・北海道などでは低くなる。しかし、この地方や北海道でも市町村などの地域スケールでみれば高いところが出てくるであろう。
 バイオクリマの対象となる医療衛生関係施設の割合はライフラインの破壊・不具合による2次的被害が大きく現れると思われるので、この部分の割合がどのような地域で大きいか、詳しい分析が必要であろう。

大地震・津波被害と新型インフルエンザ被害の比較

 京都市における観光客数の年変化に及ぼす2009年の新型インフルエンザの影響は約3,500(千人)で、2010年にはほぼ2007年の状態に戻った。数学旅行期と重なって、2009年3月〜6月に大きな落ち込みがあったが短期間で元に戻った。この落ち込みは1995年阪神淡路大震災による約5,000(千人)の落ち込みより少なかった。特に日帰り客数の落ち込みが大であったとみられている。経済的影響の被害額は2009年、79,548(百万円)で、1995年より年合計としては低かったが、4ヵ月間に集中したので、この4ヵ月の各月の合計値の落ち込みは著しかった。この点で大地震・津波による被害の影響と、新型インフルエンザによる被害の影響の差がはっきりしている。


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