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連載エッセイ [21]
暮らしの中のバイオクリマ
吉野正敏

 
異常猛暑を振り返る(III)
 
猛暑とバイオクリマ再考

 この連続エッセイ[19][20]で2012年の異常猛暑の実態を述べた。過去に経験したことがないような記録が繰り返した猛暑は、さすがに今、10月中旬、影をひそめた。
 しかし、充分に猛暑の実態を捉えきれていないし、その気象学的な原因についての解明もされていない。このまま、我が国で最高の季節、秋になり、秋をエンジョイして夏を忘れ去ってよいのであろうか。
 高い体温に見舞われた人間の体で言えば、お医者さまに診察してもらった結果、例えば、呼吸器関係が原因とわかったとしよう。しかし、どうして急にその呼吸器が悪くなったのだろうか。外で感染したのか、持病だったのが急に悪化したのか。。。。そこが大切なのだが実はよくわからない。猛暑もこれに似ている。偏西風の蛇行だとか、北太平洋高気圧の西端部の位置のずれ・大きさ・強さ・持続性などだとか、黒潮域の水温だとか、高緯度からの低温が南下する状態だとか。。。。いろいろな原因が指摘されている。しかし、そのような原因がどうして近年多くなってきたのか、極端な状況がどうして今年発生したのか、そこが大切なのだが実はよくわかってないのである。
 猛暑の気象学的な解説はともかく、どのような影響がバイオクリマに現れたのか、今回触れてみたい。その対応はどうであったのか。

2012年夏の熱波サイクルとバイオクリマ

 前報[20]にまとめたように気温で熱波の形状を捉える。日本における真夏日、猛暑日は日最高気温が30℃、35℃と定義されているが、日本の観側地点、927地点の中、何地点が真夏日か、猛暑日かもその程度を表現する方法である。
 熱波は1日で終わることもあるが、2〜3日、あるいは、4〜5日連続して現れる。上記の927地点の中の地点数で表す場合、同じ地点でなくても、日本のどこかで真夏日、猛暑日を観測していれば、熱波の条件を満たすことになる。熱波と熱波の間はやや気温は低く、前線が停滞し、雷、突風、豪雨が起こりやすい。台風が襲来して強風・豪雨に見舞われることもある。
 この熱波と次の熱波のサイクルと、その間のやや低温な期間との関係は、にわとりと卵の関係で、どちらが原因か結果かはわからない。熱波をもたらす気象条件(気圧配置・高気圧の状態など)の変化が原因なのか、前線活動、台風の去来が原因で、熱波は一休みせざるをえなかったのか、よくはわからない。もしかすると、もっと他にグローバルスケール・半球スケールの原因があって、両方とも結果なのかもしれない。
 そこで、気象学的な原因−結果はさておき、バイオクリマから見て、「熱波」の期間中と、熱波と次の熱波との「熱波休止期」のバイオクリマについて、考えたい。(表1)は2012年の状態である。

(表1)2012年夏の熱波と熱波休止期間中のバイオクリマの主要テーマ

熱波期間 熱波休止期間 主な気象原因 バイオクリマの主要テーマ

5月1日 急激な気温上昇、高気圧発達 紫外線対策、日焼けどめ、夏の電力不足予測
5月3〜5日 山岳の天候急変
前線、低気圧、豪雨
登山者の低体温症による遭難
洪水、土砂災害、避難勧告
6月20〜24日 気温上昇
長日照時間、多日射量
熱中症、夏の服装、節電
紫外線対策、日焼けどめ
7月4日 梅雨前線活発化 土砂崩れ、死者(九州北部)
7月11〜14日 梅雨前線活発化、豪雨、
偏西風蛇行、高海水温
洪水、死者(九州北部)、避難指示23万人
7月16〜19日 梅雨明け、北太平洋高気圧発達、
記録的高温
熱中症
7月19日 台風、暴風雨 停電
7月26〜29日 猛暑日連続3日、
26日に猛暑日地点数111
熱中症、高齢者死者数の記録値
8月12〜14日 豪雨・強雨・雷・雹を伴う前線活動 土砂崩れ、洪水(北九州・近畿)
8月17〜18日 猛暑 熱中症
8月27、29〜30日 台風 洪水、浸水、土砂崩れ
8月下旬〜9月上旬 猛暑日・真夏日連続 熱中症
9月中旬初め 夏型気圧配置崩れる やや低温
9月14日 日本海側に猛暑 新潟で猛暑日


 この表によって、われわれはどのような熱波に見舞われ、その時どのような問題が出たかを知ることができる。次は、テーマ別に詳しく見よう。

日焼け止め

 紫外線量は季節的には6、7、8月に多い。1日の変化は日中8時から15時頃までに多く、特に10〜13時頃に多い。
 紫外線は波長により、A波、B波、C波とあり、A波が地上に届く紫外線の90%を占める。A波は肌の表皮だけでなく、奥にある真皮にまで達する。浴びた量の20〜50%が真皮に届くと言われている。皮膚のしみ・しわ・たるみの原因になる。B波は日焼け・しみの原因になる。表皮の細胞を傷付け赤く炎症を起こす。紫外線を浴び過ぎると肌に問題を起こすのはA波とB波である。C波は地球を覆っているオゾン層によって吸収され、地上には届かない。しかし、極地方の上空大気のオゾン層を人間活動起源のフロンガスが、近年、破壊し、地上の紫外線量が増えつつある。白人は皮膚が元来弱いので、皮膚がんが増えつつあると言う報告がある。しかし、日本の緯度では影響はほとんどないであろうし、黄色人種である日本人は白人より、一般的には、紫外線に強いのではあるまいか。
 真夏日・猛暑日は直射日光に曝された皮膚の温度は高い。37℃以上の気温は人間のいわゆる平熱より高い。また、汗をかいたとき、それが蒸発する時の皮膚温度の変化は激しく、炎症の進行を助ける。それを防ぐには日焼け止めの薬をこまめに塗ることであろう。
 熱波が来た日の気温が高い時間帯に外出しなければならない時どうするか。日陰を選んで歩くことだが、都会ではガラスの反射もあるから注意が必要である。紫外線は目にも影響を及ぼす。屋外活動が長いと白目の部分にしみのような盛り上がった瞼裂斑(けんれつはん)が出る。
 日焼け止め商品の話題は5月末から6月が普通であるが、今年は5月初めから始まった。やはり2012年の夏はこの分野も5月からであった。

鳥の抱卵行動

 人間でなく、鳥のバイオクリマの1例が新聞に出ていたので紹介する。鳥もここまでやるのかと感心する。2010年、2011年の5〜8月に渡り鳥(コアジサシ)の抱卵行動を東京 大田区の人工営巣地で観察した結果、次の事実が明らかになった。気温が34℃になると、
 (1) 卵を自分の影を作って守る。
 (2) 水辺で腹を湿らせて抱卵する。
 (3) 羽ばたいて卵に風を送る。
 暑さで泣きやまないわが子に、すぐに手を出す幼児虐待癖の親たちに見せたい。

電力需要と節電

 2012年6月24日、典型的な熱波の日の例である。熊谷市は39.8℃、松山市は35.6℃、大分市は35.3℃を観測した日の話である。
 24日14〜15時東京電力管内の電力需要は4,389キロワットであった。これは、2011年6月の最大の場合の5,132キロワットよりかなり少ない。今年はすでに述べてきたように記録的な猛暑でその中でも典型的な熱波の日の24日の場合でも、去年の最大値よりこのように少ない。これは、節電の効果である。
 冷房設定温度、こまめなスイッチ切り、明るさ減少、など個人・家庭の節電が徹底し、鉄道車両、地下道、ビル内などの光量節約なども貢献したであろう。サマータイム導入も1日の総量を減らすには大きい効果があろう。
 猛暑対策の効果には、人間の生活意識が強く働くことがわかる。


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