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連載エッセイ [20]
暮らしの中のバイオクリマ
吉野正敏

 
異常猛暑を振り返る(供
 
2012年7月下旬から

 ほとんどの小学校・中学校・高等学校が夏休みに入った7月下旬は、中旬から続いていた九州豪雨がさらに深刻化した。発達した梅雨前線による7月11日〜14日の豪雨については、この連続エッセイ[19]に紹介した。多いところでは1時間に100mmの強い雨が降った。以前ならば梅雨前線の活動で死者が出ることはほとんど無かったが、今回は多量の強い雨で洪水・土砂崩れなどが発生し、死者まで出た。

7月下旬〜8月初めの猛暑と熱中症

 7月17日、四国・中国・近畿・東海・関東・甲信地方が梅雨明けした。平年より1〜4日早く、2011年より8〜9日遅れた。東北地方では7月26日に梅雨明けした。平年より2日早く、2011年より17日遅かった。
 梅雨が明けると、非常な高温に見舞われ、熱中症が急増した。例えば東北地方、一ノ関では32.5℃、盛岡では31.1℃と、まれな高い気温を観測した。
 猛暑日が7月26、27、28日の3日間連続した。気象庁の927の観測地点のうち、3日連続の猛暑日を観測したのは、137地点に及んだ。

(表1)2012年7月下旬の猛暑日の例

日付 地点 日最高気温(℃) 備考

7月27日 舘林市 38.4 全国で1位。熱中症で5人死亡
太子町 38.3 この地点で過去の最高記録
多治見市 38.2
伊勢崎市 38.2
揖斐川町 37.9
7月29日 舘林市 37.1
熊谷市 36.9
日田市 36.7
伊勢崎市 36.5


 この7月下旬の猛暑がいかに顕著なものであったかを(表2)に示す。全国的に見て猛暑の地域的広がりが理解できよう。26日がより深刻で約74%が真夏日、12%の地点が猛暑日であった。観測地点が等密度で分布していると仮定すれば、国土の12%が猛暑日を経験したことになる。

(表2)2012年7月17日と26日猛暑の比較。(気象庁の927観測地点のうちの地点数)

日付 猛暑日(35℃以上)
地点数
真夏日(30℃以上)
地点数

7月17日 75 516
7月26日 111 682


 熱中症にかかる人は高齢者ほど多く、(表3)に見るように、65歳以上が特に多く、約46%に達する。5月28日以降搬送された人は11,110人、死者は23人に達した。

(表3)年齢別の熱中症にかかる割合

年齢 割合(%)

7〜18歳未満 13.6
18〜65歳未満 39.5
65歳以上 45.9


 次に1週間ごとに見る。7月上旬・中旬すでに熱中症患者は増加していた。しかし、(表1)と(表2)に示したような異常な高温により、(表4)に見るように7月下旬の増加はこれまで知られていなかったほどの値であった。

(表4)7月上旬から8月上旬の週別、全国の熱中症患者の搬送者数

日付(1週間) 人数 備考

7月9日〜15日 2,022
7月16日〜22日 5,467 7月16日の猛暑は連続エッセイ[19]を参照のこと
7月23日〜29日 9,055 2008年に統計を取り始めて以来の1位
7月30日〜8月5日 6,891 65歳以上は3,556人、死者10人

(参考:月合計)
2011年7月合計 18,070
2012年7月合計 21,047 2008年以来の最高値


8月中旬・下旬の豪雨

 8月12日〜14日、また激しい雨に見舞われた。特徴は激しい、強い雨で1時間に数10mmから100mmを超すような雨であった。2、3の例を(表5)に紹介する。

(表5)2012年8月中旬の激しい強雨の例

日付 地方、県、地点名 降雨量 備考

8月12日 徳島県つるぎ町 58.0mm/h 落雷・ひょう・竜巻をともなう。黄海で前線が東西に延びる。
8月13日 北日本 激しい雨 雷をともなう
九州、諫早市 53.5mm/h 局地的豪雨
8月14日 近畿地方 100mm/h以上 近畿地方は大雨、京都浸水2,700棟
京都府精華町 91.0mm/h
静岡園掛川市 86.5mm/h 8月の観測値としては1位


 8月下旬になって、台風15号が8月27日、台風17号が8月29−30日に襲来した。今年は台風の発生数が多く、さらにまた、日本に上陸したり沿岸に影響を及ぼす台風が多かった。
 8月のまとめをすれば、豪雨が降って洪水・浸水・土砂崩れなどの災害が発生したが、局地的であった。月降水量としては東北地方34%、仙台は15%、関東地方12%などで水不足となった。これは北太平洋高気圧が日本列島の東まで張出して強化したためである。その高気圧の南西部から西の部分は九州付近になり、そこで湿った高温な南ないし南西の気流となり、朝鮮半島中央付近・黄海から中国の華北付近に延びる前線(気候学的にはユーラシア寒帯前線帯の東端部分)が活発化した。温暖化した場合の盛夏の現象ではないかと推測しているが、まだ詳しい研究はないようである。前線に沿う地域での現象だから局地的で、どこに積乱雲が発生し、強い上昇気流が発達するか、どこで竜巻が発達するか、予測は難しい。これが、ゲリラ雷雨・ゲリラ豪雨と言われる理由である。しかし、2012年8月には130回発生したというから、見逃すわけにはいかない。
 8月の高温は酷かった。真夏日が東京の都心で29日に及んだ。猛暑日の日数も各地で観測開始以来の記録値に達した。連続した真夏日・猛暑日は体力を消耗させ、熱中症を多発した。なお、野菜その他の生鮮食料品・生活・バイオクリマの諸問題は次回に述べたい。

9月の猛暑・局地豪雨・台風

 2012年は9月も夏の暑さが続いた。上旬はこれまでの観測記録で第2位の地点が多かった。8月以来の少雨の地域、例えば関東地方・東北地方などでは干ばつで、水不足はさらに深刻化した。9月7日、午前0時、利根川上流の8ダムの有効貯水量は合計40%になった。これは平年の半分である。矢木沢ダムでは5%になり、1992年以来の状況であった。11日、1都5県で10%の取水制限を行った。
 高温は連続し、8月下旬から9月上旬、北日本では平年より3.3〜5.1℃高く、9月中旬、東日本では約3.1℃平年より高かった。14日新潟県の新津市36.6℃の猛暑日を経験した。これは平年より9.7℃高かった。
 さらに大きい問題は台風の頻繁な襲来であった。強風・豪雨は言うまでもないが、ちょうど大潮に重なり、台風の中心から遠い地域でも浸水被害が出た。三陸沿岸の東日本大震災で被害を受けた海岸の低地でも浸水被害があった。

2012年夏の熱波

 2012年5月から9月までの熱波の周期をまとめると次のようになろう。ただし一つの熱波が1日で終わる場合も2−3日連続した場合もある。

5月1日―6月20日―7月16〜19日―7月26―29日―8月17―18日―8月下旬〜9月上旬―9月14日
  

 熱波と熱波の間は前線活動が活発化して豪雨・雷・竜巻などが発生した。あるいは、台風が襲来したりした。5月や9月より6・7・8月は熱波と熱波の間隔が長くなる傾向があり、波高が高くなる(猛暑日になる)傾向があるようである。ただし、7月下旬のように夏の期間の中央付近では、間隔は短く高さは高い(猛暑が最も深刻になる)ようである。今後、例数(年数)を増して検討すべきであろう。


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