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連載エッセイ [1]
暮らしの中のバイオクリマ
吉野正敏

 
冬の風から暮らしを守る
 
空っ風

 冬、日本列島の太平洋側は北西の季節風の風下側に当たる。そのため特に山麓につながる平野部ではフェーン現象で昇温し、乾いた強いおろし風が吹く。フェーン現象だから昇温するが、元来の空気がユーラシア大陸内部からの低温な空気だから、多少昇温しても、風上側では吹き出す前日より、吹き出しの当日、気温は下降する。
 平野に住む人びとは経験的によくこの状態を知っている。赤城おろし、榛名おろし、筑波おろしなどの名で関東平野では呼んできた。濃尾平野では伊吹おろし、鈴鹿おろし、関西では六甲おろしなどが有名である。
 風下側の平野における澄み切った青空は、正月の三が日続くこともまれでない。成人の日も晴れのチャンスは、日本海側の豪雪地帯よりも多い。かつて、この“いであ”のエッセイで、福岡義隆が“曇りであっても、雪が降っていても、「晴れ着」とは”と書いていたが、日本人の暮らしの中の晴れとは、“はればれとする”。。。。とか、“はれがましい”とか、心の在り方の表現かもしれない。バイオクリマからのさらなる分析も必要であろう。
 (写真1)(上)は関東平野における農家を守る宅地防風垣の例である。防風垣の高い(約5m)樹はシラカシ、低い(約1.2m)樹はマサキである。高い樹と低い樹の間は透いているが、この方が防風効果は大きい。防風垣のすぐ近くは風上側でも風が弱いので、ビニールハウスを建て、冬野菜を栽培している。シラカシの防風垣をクネ、イグネ、イクネなどと、地方によっては呼ぶ。

ボラ

  ユーラシア大陸の東側で、冬の冷たい高気圧から吹き出す風が、山脈を越して風下の山麓で吹くのが上記のように空っ風である。同じような現象は、ユーラシア大陸の西側でも起きる。スロベニア・クロアチアのアドリア海岸は北西から南東方向に走るが、これにそって走るディナールアルプス山脈の風下側海岸で冬を中心にした寒候季に北東の寒風が吹く。この風をボラと呼ぶ。ボラとは、ボレアス・ボレアルなどと言うように、北、の意味である。
 (写真1)(下)はスロベニアのボラが最も強い地域、アイドフシチーナにおける石置屋根の家である。ボラが強い所では、屋根瓦が見えないくらい沢山の石を置く。最近ではレンガを置く場合も増えてきた。集落内では石造りの家々は寄り添うように狭い範囲に集まる。風上側に窓は無いか、あっても小さい。


(写真1)
(上)関東平野の“空っ風”から農家を守る暴風垣。高い(約4m)樹列はシラカシ、低い(約1m)樹列はマサキ。
(下)スロベニアのアイドフシチーナの家は“ボラ”に対する石置き屋根が見事。
(いずれも吉野撮影)

冬のボラ日数と空っ風日数の比較

 ユーラシア大陸の東側と西側の局地風が、いずれも冬を中心にした寒候季にユーラシア大陸の高気圧から吹き出す風だとすれば、ユーラシアの高気圧は発達する年もあればあまりよく発達しない年もある。われわれが、寒冬・暖冬を経験するのはそのような年々変動があるためであるが、両者の年々変動は並行しているのだろうか。その疑問に答えるのが(図1)である。1956年−1957年の寒候季から、1979年−1980年の寒候季まで、24回の寒候季にまたがる年々変動を示す。一見、傾向を見出すのは困難のようではあるが、どうもこの24年間で見ると前半は並行した変動がまさり、後半はバラバラの変動傾向のようである。(表1)はそのまとめである。

(図1)ボラ日数と空っ風日数の年々変動の比較。
1956-57年の寒候季から1979-80年の寒候季まで(Tamiya,1976;その他による)

(表1)ボラ日数と空っ風日数の年々変動の並行性

寒候季 合致する 合致せず 合計

1956年−57年から1967年−68年まで 7回(年) 5回(年) 12回(年)
1968年−69年から1979年−80年まで 3 9 12


 このような差が出た理由は目下のところ不明ではあるが、当然考えられるのは温暖化の影響である。地球温暖化によってユーラシア大陸上に寒候季に形成される高気圧は次第に弱くなって来ているので、年による偏りは地域的には並行しない傾向にあるのではないかと考えられる。この点は研究課題である。


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