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連載エッセイ [20]
温暖化と生きる
吉野正敏

 
猛暑と生活:個人消費
 
熱波に襲われた2010年

 前回の連続エッセイ[19]では、2010年夏、日本が猛暑・残暑の波、文字どうりの熱波に、波状攻撃を受けたことを述べた。9月下旬まで、時おり低温な期間をはさみながら、高温が続いて現れた。9月22日にも東日本と西日本の太平洋側では20地点で35℃以上の猛暑日を記録した。
 熱中症ばかりでなく、エアコンなどの個人消費・レジャー・コンビニやスーパーでの買い物・野菜や果物の価格など、生活に直結するところで猛暑の影響は大きかった。今回はまず、個人消費にふれたい。
 全般的にはマイナスの影響が大きいが、プラスもあり、また、思わぬところへの影響もあり、さらに、複雑な過程をへてプラスがマイナスに転じる場合もあることを紹介したい。

コンビニ・スーパー・デパートなどでは

 来店者数・客単価・総収入――2010年7月・8月の全国のコンビニエンスストア売上高は2009年の同期よりそれぞれ0.5%増であった。しかし、8月を7月と比較すると、来店客数は9.2%増加したにもかかわらず、客の購入金額は1.9%減少した。結局、総売上高は3.5%減であった。コンビニだけでみると来店者数は2009年に比較して2.3%増であった。しかし、購入金額が減少したので客単価(客1人当たりの購入額)は7月すでに1.8%減少した。
 食品――商品別に見よう。めん類は全国的にはうどん・そうめん・ひやむぎ・乾めんはよく売れた。生めんは不振。食堂では冷やしめん・冷やし中華がでた。飲料関係の(購買)客数は6−8月で3.6%、2009年より増加。居酒屋・パブの客数は6−8月で1.1%増、しかし客単価は2.3%減少したので、結局、売上高は1.2%減少。
 アイスクリームも好調であった。アイス『ガリガリ君』(赤城乳業)が8月3日猛暑で大売れし、品薄状態になり、ホームページでお詫びした。ビール系飲料の国内出荷量は2009年の同期に比較して0.3%減、その内訳は第3のビールが8.0%増、ビール0.1%増、発泡酒13.9%減であった。
 おでんの売上は猛暑の波と違った動きがみられた。すなわち、まだ残暑が続いていた9月上旬に、売上は2009年の同期より1.5倍になった。これは室内冷房の設定温度が低過ぎて、かえって寒さを感じたためかとも思われる。
 医療品・化粧品など――ドラッグストア関係の個人消費は、猛暑が始まるとすぐに影響が出るところに特徴がある。7月の記録では、前年2009年の同期に比較して以下のとおりであった。手軽に爽快感を得られる日用品で、汗ふき44%増、入浴剤20%増、冷却シート25%増、ボディローション4倍、制汗剤30−33%、日焼け止め76%増、日焼けクリーム52%増の売れ行きであった。清涼寝具(枕・ふとん)は約50%増であった。
 電気製品――エアコンは7月19−21日の3連休から売れ始めた。20−21日には2.5−3.0%増。三越では売り場面積を2倍にした。7月の合計販売台数は、約2倍となった。
 衣料品――2010年は全般に節約指向で落ち込んでいるところであった。猛暑のため落ち込みかたが緩和したと考えられている。9月20−26日の集計でニット20%増、25−26日には羽毛ふとんが2009年の3倍売れた。
 しかし、百貨店業界では、8月の秋物は不振で2009年の3.2%減、例年より1−2週間遅れた。9月21日ころから厚手のタイツが売れはじめた。急に気温が下がると2−3倍出る。ブーツは例年より20日遅れ、9月23−26日に急増した。
 白洋舎のクリーニングは猛暑になると約40%増。
 残暑がいつまでも厳しく秋冬物は不振になり、デパートでは10月1−10日、秋冬物の30−70%の値下げセールを行った。

レジャー

 水の事故――猛暑のため、海水浴・水上バイク・キャンプ付近の川やプールなどにおける水の事故が多かった。これは高温と好天の結果で、レジャー人口の急増の結果である。例えば東京よみうりランドのプール客は28%増であった。海水浴場の事故は852件に及んだ。
 登山事故――2010年7−8月、全国で530件の山岳遭難の報告があった。高齢登山者の増加・準備や経験の不足者の増加などが背景にあるとはいえ、温暖化と安定した高気圧性の天候が登山者数の増加を加速させた。その結果、事故件数が増加したと考えられる。
 富士登山者数はやはリ猛暑であった2008年、山梨県側からは247,006人であったが、2010年は259,659人で、統計を取り始めた1981年以来の最高であった。同じく、静岡県側からは7−8月の合計で148,695人、2009年に比較して12.8%増であった。
 自動車交通――猛暑中、特に高速道路ではレジャーに向かう自動車がクーラーを入れたまま渋滞に巻き込まれ、燃料切れとなる場合が多くみられた。また、道路表面が猛暑により異常に高温となり、自動車のタイヤパンクが発生した。事故にならなくても、自動車関連費は猛暑により2010年は4.9%増と言われる。
 また、ホンダ軽自動車の『ライフ』の駐車ブレーキが、高温多湿のために、ラチェットポールトいう部品が膨張して隣の部品と接触し、動きが鈍くなるという不具合を起こした。駐車ブレーキを踏みこんでもペダルがロックされずブレーキがかからなくなる。2009年夏には約200件あったが、冬になってなくなり、2010年夏には約500件起こった。猛暑の影響と言わざるをえない。

まとめ

 第一生命経済研究所によると、7−9月の東京・大阪の平均気温が1℃平年より高くなると個人消費を4,333億円押し上げるという。これはGDP換算では0.3%押し上げる効果があるという。ここで重要なことは、この1℃とは絶対値で何℃の範囲なのかである。2010年のような猛暑・残暑の高い気温においてもあてはまるのかである。
 2010年の猛暑の個人消費で注目すべき現象は、例えば、コンビニ・スーパー・ビヤガーデンなどで明らかなように、来客数は増加、客単価(客1人当たりの購入額)は減少、結局、総売上高は減少したことである。まれに、部門によっては客単価の減少が小さく、総売上高が増加した。あるいは、来客数が大きく増加し、総売上高が増加した場合もあった。


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