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連載エッセイ [34]
異常気象を追う
吉野正敏

 
日本古代の異常気象
 
古代の自然と人びと

 先史時代・歴史時代を通じて人の心のふるさと、あるいは文明や文化の誕生・展開はその地域の山や川、草原や森林などが織りなす自然景観と切り離して考えられない。そして、この自然的な景観を支え、育んできたのは気候で、地上の“目に見える”山や川、地表の状態だけが自然景観の要素ではない。
 4世紀に始まる古墳時代には、大和朝廷による全国支配がしばらく続き、7世紀半ばの大化の改新を出発点として律令時代が進んだ。4世紀には温暖な時代が始まり、4世紀後半から6世紀初めにかけて短いて低温な期間があったが、その後、温暖化し、8-10世紀にピークをもつ「気候の小最適期」または、「気候の小最良期」とよばれる大きな山をもつ温暖な時代となった。
 この時代における大和政権の確立、平城京その他の建設、日本国内における地域社会の展開と集落の変遷は著しい。東南アジアや中国・朝鮮半島における興隆とも並行性が認められる。これらの歴史的展開と変遷には、農林水産業の生産性を高め、集落形成や人びとの生活を支える良好な気候条件が必要であった。
 しかし、この連続エッセイで何度も指摘したように、温暖期の中にもかならず低温な年、あるいは、長さはさまざまだが、低温な期間がはさまっている。洪水・干ばつなどの異常気象も発生した。都市では疫病・火災が頻発した。

古代の気候

 弥生時代末の1世紀から2-3世紀と次第に昇温して、4世紀前半の温暖期を迎えた。その後、上述のように小さな寒冷期があったが、弥生時代の低温ほどではなかった。古墳時代は平均して温暖とみてよかろう。ただし、尾瀬ケ原の記録では寒冷期のほうが顕著で、古墳寒冷期とさえよばれることがあるが、地域的な差が大であったのではないかと思われ、この呼称は日本の全体にはあてはまらないと、みるべきであろう。しかし、6世紀初めまでの低温ははっきりしており、巨大な前方後円墳の出現はちょうどこの寒冷期にあたる。
 6世紀初めには温暖化し、その後、約100年続いた。平安時代の温暖さに匹敵するほどであった。大化の改新から約100年間は、すなわち、7世紀前半から奈良時代の初めまでは寒冷であった。いいかえれば、飛鳥時代はやや寒冷な時代であった。
 崇神天皇の時代は6世紀末で、自然環境条件はよくなってきた。生産体制は順調な発展をとげ、徴税が始まった。これは国の政治体制の整備を意味する。また、灌漑のために依綱池(よりみのいけ)、軽の酒折池(かるのさかおりのいけ)を造った。しかし、一方では、疫病が大流行した。これは、都市部で人口の集積があり、地域内交通がすでにかなりあったことを意味する。最初の広域流行病(感染症)の発生は縄文中期・晩期にあったことが知られており、その時の人口減は食糧資源の減少と疫病の流行が原因とされている。したがって、大和朝廷としては、その影響が深刻なことはわかっており、総力体制でそれに対処した。
 6世紀の場合、流行病の対策は以下のようなものであった。すなわち、人びとは各地の社(やしろ)で神に平皿(ひらさら)・楯と矛と布など(みてぐろ)を献じた。これは、信仰が主体の行為で病理学的な対策ではないが、神社網を通じて地域的に情報を細かく、確実に伝達・収集する役割を果たしたとみられよう。

7-9世紀ころの自然災害

 (図1)に屋久島の炭素同位比から推定された気温変動(アミの部分)[北川、1995による]と畿内の自然災害の出現率[中塚、1995による]をまとめた結果を示す。

(図1)屋久杉の年輪の炭素同位体比から推定した気候変動と畿内の自然災害の出現率(安田、2004による)

 8世紀中ごろから急な温暖化がみられ、9世紀には1-2℃の上昇となっている。それにともなって旱害率が上昇し、すこし遅れた位相で風水害率が上昇した。旱害は夏の日照り、風水害は、梅雨前線活動・秋の台風活動が主で、もたらす原因がことなるので、位相のずれが生じる。また、被害を受ける農地(田畑)と河川流域の低湿地との違いもあろう。いずれにせよ、大まかには温暖化によってこれらの発生頻度が増加したことは注目に値する。


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