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生きもの歳時記 万葉の生きものたち


雲雀(ひばり)



空高く舞うヒバリ

 今頃の時期に河原の草地や畑地に行けば、その上空に天高く舞うヒバリの声を聞くことができます。しかし、いくら空を探しても、「声はすれども姿は見えず」、眩しかったり首が痛くなって探すのを諦めた人も多いでしょう。見つけられたとしても、空中で羽ばたく姿をぽつんと確認できる程度です。

 誰でも知っているヒバリが、どういう姿形をしているのか、春以外の季節に、どこで何をしているのか知っている人は少ないのではないでしょうか。

 万葉集では、三首で春の雲雀(ひばり)について詠っています。春というと、今なら明るく楽しいというイメージがありますが、万葉集の頃は、春のヒバリに物悲しさを感じていたようです。理由はよく判りませんが、探しても姿が見えないあたりにそういうものを感じたのでしょうか。

うらうらに 照れる春日(はるひ)に ひばり上がり 心悲(こころがな)しも ひとりし思へば

(大伴家持 万葉集 巻十九 四二九二)


のどかに照る春の日に、ひばりが舞い上がっていくが、独りで思っていると心が悲しい。

 

ひばり上がる 春へとさやに なりぬれば 都も見えず (かすみ)たなびく

(大伴家持 万葉集 巻二十 四四三四)

ひばりが空に上がり、はっきりと春になったので、霞がたなびいて都が見えないほどだ。

〜ヒバリのさえずり〜

 ヒバリは上昇していくとき(「上がり」と呼ばれる)、空中で停飛しているとき(「空鳴き」、「舞鳴き」)、そして降りてくるときで(「降り」)、それぞれ鳴き方が異なります。
 上昇していくときは比較的単純な鳴き声の繰り返しですが、停空飛翔状態になると、多い個体では15種類以上もの声のパターンを組み合わせて、複雑なさえずりを長時間続けます。そして降りてくる時には、スズメや他の鳥の鳴き声も混ぜ、少し短めの声を組み合わせてさえずります。


停空飛翔しながら鳴くヒバリ

 この複雑なさえずりのレパートリーは個体差が大きく、1羽毎に独自のバリエーションがあると言われています。

 以前には、捕らえたヒバリを持ち寄って「鳴き合わせ会」などがよく開催されていました。熱心な愛好家は、野外で鳴く歌が優秀なヒバリの下に若い鳥を入れた鳥籠を持って行き、綺麗な歌を聴かせて憶えさせていました。いくつもの鳥籠が集まり、さながら「ヒバリの音楽学校」の様相を呈していたようです。

 ヒバリは基本的な鳴き声は最初からある程度出せるようですが、複雑に組み合わされたさえずりは、聴いて学習するようです。下手な歌を聴かせれば下手な歌い手になり、美しい歌を聴かせれば素晴らしい歌い手になる・・・のかもしれません。

  このように、親から子へと歌は受け継がれ、ヒバリの「方言」が自然とできあがってきたようです。

〜ヒバリの生活〜

 春になると現れるヒバリは、その他の季節にはどこにいるのでしょうか? 積雪の多い地方や北海道を除くと、ヒバリは一年中同じ所にいる留鳥です。気がつかないのは、その姿によるところが大きいでしょう。写真のとおり、実に地味な模様と色合いで、枯れ草の中にいたら完全にまぎれてしまいます。さらに、秋冬には「ビュル ビュル」と地味な鳴き声を出すだけなので、草原で見かけてもヒバリとは思いもしないかもしれません。じっとしていたら、足もと数十センチの場所にいてもおそらく気がつかないくらい、地味で目立たない鳥なのです。

枯れ草の中で餌をついばむヒバリ

 巣は地面の枯れ草の間に造られ、3月下旬頃には産卵を開始します。孵化した雛も目立たないネズミ色の綿羽で覆われ、枯れた草むらに完全に溶け込んでいます。雛は両親から給餌を受け10日ほどで巣立ちます。さらに親に餌をもらいながら約20日ほどで独り立ちします。


地上でさえずるヒバリ
 隠れる場所もない草原で生活するヒバリは、外敵から身を守るために、忍者のように草むらに溶け込み、隠れながら生活しています。そんなヒバリが春だけ空高く舞い上がって歌うのは、地上にさえずるのに適した高い木や草がないことと、外敵から身を守るためではないかと言われています。
しかし、常に空中でさえずっているのかといえば、繁殖期の後期には地上でさえずることも多いようです。地上では何のためにさえずっているのでしょうか・・・?


■ 参考文献
水野仲彦 (1998) 野鳥のくらし−卵から巣立ちまで− 保育社.
荒垣秀雄編 (1976) 朝日小事典 日本の四季 朝日新聞社.
川村多実二 (1974) 鳥の歌の科学 中央公論社.
中村登流・中村雅弘 (1995) 原色日本野鳥生態図鑑(水鳥編)保育社.
菅原浩・柿沢亮三 (1993) 図説日本鳥名由来辞典 柏書房.
佐竹ら校注 (2003) 新日本古典文学大系4 萬葉集四 岩波書店.

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