高齢化社会が来るとさまざまな問題がそれに伴って発生する。その中でも深刻なのは一人暮らしの高齢者が増えることである。65歳以上の高齢者についてみると、総高齢者数(高齢者人口)に対する一人暮らし高齢者の割合(%)は(表1)のとおりである。
(表1)高齢者人口に対する一人暮らし高齢者数の割合(%) |
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年 |
男 |
女 |
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1980 |
4.3 % |
11.2 % |
1990 |
5.2 |
14.7 |
2000 |
8.0 |
17.9 |
2010 |
11.0 |
19.4 |
2016(推定) |
13.1 |
19.6 |
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(総務省[国勢調査]、社会保障・人口問題研究所[日本の世帯数の将来推計]などから、吉野作表) |
この表からわかることは次のようにまとめられる。すなわち、男女の差がかなり大きい。男の死亡平均年齢が女より若いためであろうが、20世紀末には女の一人暮らしが約3倍弱多かった。次第にその倍率は小さくなって、21世紀の現在は約1.5倍である。推定では2025年、2030年には約1.12倍である。
このような男女間の差は小さくなってゆくが、割合の値はデータのある20世紀末以来、大きくなってきている。今後も増加してゆくことは明らかである。すなわち、一人暮らしの高齢者の数は増加してゆく。
一人暮らしの訴え
介護度の高い一人暮らしの人が、バイオクリマに関する訴えの内容を記すと次のとおりである。
(1) |
膝・腰の痛み。ある統計では約20%弱の人が訴えるという。非内科系の問題では、最も多い。
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(2) |
不安・不眠。約9%強の人が訴えるというから、見逃せない。 |
(3) |
かゆみ・あかぎれなど。約7%である。 |
(4) |
排尿。約3%である。 |
(5) |
眼力・視野など眼の衰えに起因する症状、約2%である。 |
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