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連載エッセイ [32]
風を歩く
吉野正敏

 
バンコクの風ぐるま・雷よけ
 
 日本でもそうだが、夏、雷が発生しやすいところは、地上の風は弱い。関東周辺の山地や九州の日田盆地などはそのよい例である。東南アジアでも、台風やサイクロンなどの熱帯低気圧がよく来る地域は強風に見舞われるが、雷の回数は少ない。

 タイは熱帯低気圧による強風や風害は少ない代わりに、熱雷が多い。熱雷とは、暑い日差しで地面が熱せられ、その上の空気の温度もあがり、上昇気流が発達し、入道雲(積乱雲)となり、雷が発生するという過程によるものである。また、地上が暖まるばかりでなく、上空に寒気が入ると上昇気流は強くなり、雷雲が発達しやすい。熱帯では、このような大気状態のときは午前中から、大きな積乱雲が発達する。温帯では、夏の熱雷は午後強くなり、最強時は15−17時ころだが、熱帯では少し早く、午前中から、始まることもまれでない。

 (写真1)はタイのバンコクの近く、ワット・カオロングにあるセメント工場の庭で見た“風ぐるま”である。背後の石灰岩の山が、このセメント工場の立地の理由である。竹の支柱の上についた風向・風速計は、もちろん、専門家用のものでなく、“風ぐるま”という表現に適している。しかし、子供のお遊びではなさそうである。ここの住人のなみなみならぬ“風意識”に感心する。

(写真1)タイのバンコクの近く、ワット・カオロングのセメント工場の庭でみた風ぐるま。
 この工場の事務所の軒には、(写真2)(上)(下)に見るような雷よけの鏡が下がり、お札がはってある。自動車のバックミラーが雷撃退に役立つというのは新しい発想である。「雷さまが鏡に映る自分の姿をみて逃げ帰る」のか、「鏡が四方八方の雷をとらえて、一つ一つ、やがて、すべての雷を殺すぞ」という発想のどちらだか、わからない。とにかく、ただのお札の文字だけでなく、鏡を使う手法がおもしろい。なお(写真2)(上)には風鈴がさがっている。これは、日本人が風鈴の音を楽しむのと同じ理由か、風鈴の音が雷撃退を鼓舞する太鼓の音に代わるのか、よくわからない。いずれにせよ、人間の生活に密着した風のとらえかたの一つである。

(写真2)(上)(下)同じセメント工場の事務室の軒に懸かる雷よけの鏡と、軒に貼られたお札。
以上、写真1〜2、いずれも1999年12月26日 吉野撮影 
 さらに、雷よけのお札が漢字で書いてあるのが興味をひく。この工場事務所の支配人は華僑であろうか、中国語をタイでも使っている人たちであろう。それはそれでよいが、われわれゲスな日本人は、「タイの雷さまは漢字を理解するの?」と聞いてみたくなる。「いや、雷さまは人の心の中にいるのだから、その人がタイにいようが、インドにいようが、その人が理解する言葉で書けばよいのだ」という返事が返ってこよう。これが、民俗行事であり、民間信仰であり、風水思想であると、大上段に構えれば、答えねばなるまい。


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